塾選びは「子どもとの相性」がカギ
「うちの子、そろそろ塾に通わせたほうがいいかな…」
そんなふうに思い始めたとき、保護者の方がまず悩むのは、「どんな塾を選べばいいのか」ということではないでしょうか。
成績アップ、受験対策、勉強習慣づくりなど、塾に通う目的はご家庭によってさまざまです。
けれども、何より大切なのは、お子さんが安心して通えるかどうかだと思います。
今回は、初めて塾を探す保護者の方に向けて、塾選びで失敗しないための5つのポイントをご紹介します。
1. 講師は誰が教えているか？
塾によっては、慢性的な人手不足により、昨日面接を終えたばかりの大学生アルバイト講師が授業を担当することもあります。 一方で、すべての授業を経験のある社会人講師が担当しているという塾もあります。
一般的に、大学生講師が中心の塾は授業料が比較的安価で、社会人講師が指導する塾はやや高めになる傾向があります。
学習塾の経費の多くは人件費です。
もしご自身や配偶者の方が塾で講師として働かれるとして、大学生のアルバイトと同じ時給で日々の生活が成り立つかを想像してみると、その理由が見えてくるかもしれません。
もちろん、大学生講師にも指導の上手な先生はたくさんいらっしゃいますし、親しみやすさや柔軟な対応力といった良さもたくさんありますが、指導力や子どもとの関わり方には、講師の経験値によってどうしてもばらつきが出ることになります。
体験授業や面談の際には、講師の人柄や教え方のスタイルをしっかり確認し、安心して任せられるかどうかを見極めることが大切です。
2. 指導スタイルは合っているか？
塾には、集団指導・個別指導・自立学習型など、さまざまなスタイルがあります。
お子さんが「質問しやすい」「落ち着いて集中できる」と感じられる環境かどうかは、塾選びにおいてとても重要なポイントです。
たとえば、すでに自分で学習する習慣が身についていて、計算や処理のスピードも速く、大勢の前でも物おじせず質問できるタイプのお子さんであれば、集団授業の中で刺激を受けながら成長していくのも良い選択でしょう。
一方で、人前で話すのが苦手だったり、わからないことをその場で聞きにくいお子さんには、個別指導のように一対一で丁寧に向き合える環境が向いているかもしれません。
どちらがいい悪いではなく、それぞれのお子さんの性格や学習状況に合わせて、無理なく力を伸ばせるスタイルを選ばれるとよいでしょう。
3. 対象学年・教科は明確か？
塾によって、対象とする学年や対応教科、得意とする分野（いわば“ストライクゾーン”）はさまざまです。
「小学生から高校生まで全教科に幅広く対応」する塾もあれば、「小学生の国語だけに特化」しているという塾もあります。
小学生・中学生・高校生では、求められる指導スタイルや関わり方がまったく異なります。
学校でも、小・中・高で校舎も先生も変わるように、一つの教室で小学校低学年から大学受験までのすべてに対応するには、無理が生じることもあるのです。
また、英語に特化した塾や、最難関校の受験対策に強い一方で基礎指導には不向きな塾など、教科や難易度ごとの特色も見逃せません。
お子さんの学年や学習目的に合った塾かどうか、しっかり見極めることが大切です。
4. 通いやすさ・立地・時間帯
どんなに評判の良い塾でも、通いづらければ長く続けるのは難しくなります。
学校帰りに立ち寄れるか、夜遅くなりすぎないか、保護者の送迎が必要かどうかなど、通いやすさは継続のカギとなります。
たとえば、片道に30分かかる塾に通う場合、往復で1時間。
週2回通うと、1か月で約8時間、1年では100時間以上になります。
これだけの時間があれば、苦手単元の3つや4つをじっくりマスターできるかもしれません。
また、塾の立地が安全かどうかも重要な視点です。
「通いやすく、安心して通える場所にあるかどうか」は、塾選びの基本条件といえるでしょう。
5. 体験授業を担当した講師が教えてくれるかどうか
最後に、個別指導をご検討の際には、体験授業を担当した講師が、入塾後も継続して指導してくれるのかどうかも、大切なポイントです。
というのも、体験授業や入会直後だけは社員や経験豊富な講師が担当し、その後、しばらくしてから経験の浅いアルバイト講師に交代してしまうというケースも、実際にあります。
「体験のときの先生がとても良くて入塾を決めたのに、気づいたら先生が変わっていた…」
そんな理由で、転塾を希望されるご家庭も少なくありません。
こうした点も、できるだけ事前に教室の担当者に確認しておくと安心です。
まとめ
塾選びは、保護者だけでなく、お子さんの気持ちも大切にすることが成功の秘訣です。
「ここなら安心して通えそう」
「先生がやさしかった」
そんな感覚を、お子さん自身が持ち続けられるかどうかが、成績アップにつながります。
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